サイト売買は個人もできる?
サイト売買サービスや法人間の事業譲渡として行われる取引などから、売買されるサイトというものは非常に大規模なものというイメージがあるかもしれません。
しかし、昨今ではアフィリエイトを目的としたり、ただ自分の持つ情報を趣味として発信したりという個人も少なくはなく、個人運営のサイトも多くあります。
また、エンジニアの中には、自身のスキルアップや覚えたことを活用して何かしら作ってみようといった考えから、アプリやWebサービスを開発してみる人もいるでしょう。
では、このような個人で作った小規模~中規模程度のWebサイトやアプリ、Webサービスも売買することはできるのでしょうか?
一部のサイト売買サービスでは、Webサイトに限らず、個人作成のアプリやWebサービス、果てにはSNSのアカウントなども取引がされています。
そのため、サイト売買サービスを利用するのは法人だけに限らず、個人も売り手・買い手として利用できるのです。
本記事では個人に向けたサイト売買に関する情報から、そのほかにどのようなものが売れるのかといった補足に加え、注意点なども併せて解説していきます。
個人でサイト売買するメリット
サイト売買の基本的なメリットとしては「売却できれば、まとまったお金が得られる」ことや「サイト構築にかかる時間・作業を一気に短縮できる」ことなどが挙げられます。
このメリットは個人・法人問わず、共通してあるものですが、個人でサイト売買することのメリットとしては何があるのでしょうか?
個人でサイト売買するメリットとしては、次のようなものがあると思われます。
- サイトの購入・売却をサイクル化して稼ぐことができる
- サイト売買に関するノウハウを得られる
まず、①の売買サイクル化について、個人の場合は大規模サイトを用意する必要があまりありません。
数千万~数百万の大規模サイトを購入して、利益が出るまで運営を維持するといった投資に近い方法や、逆に自身でそこまでの規模のサイトを作って売るという方法を取れば大きく稼げる可能性はありますが、個人で行うのは到底不可能でしょう。
そのため、個人がサイト売買で稼ごうと考えるのであれば、小規模~中規模サイトを売買して細かく稼ぐ方法が適切であり、身動きの取りやすい個人ならではの方法だと言えるでしょう。
そして、②に関しては、サイト売買を何度か繰り返していく中で、「どういった方法を取れば、購入したサイトの利益改善ができたか」や「サイトを売却するためにはどのような情報・交渉が必要か」といったようなノウハウがそのまま自身の資産になっていきます。
すべて個人で行うことになるので、ノウハウの蓄積量は非常に多くなるでしょう。
サイト売買サービスで個人ならどんなものが売れるのか
先述した通り、サイト売買サービスではWebサイト以外のものも売られています。
また、Webサイトの種類もブログや通販サイトなど、さまざまあります。
サイト売買サービスを利用してみようと考える人の参考になると思いますので、実際にサイト売買サービスにおいて、どのような個人のものが売られているのかは理解しておきましょう。
小規模のアフィリエイトサイトやECサイト
基本的なものではありますが、個人運営のアフィリエイトサイトやEC(通販)サイトも取引されています。
収益が非常に少なかったり、ハンドメイドのものだけを取り扱っている通販サイトなど、小規模のものも十分あります。
購入する側としては、アフィリエイトサイトの場合は特定のジャンルに絞ってあるものも多く、通販サイトであれば販売に適した機能を持ったテンプレートやデザインが使われているため、そのまま利用・既存サイトのコンテンツ拡充など使い勝手が良いと思われます。
売る側の場合、サイト売買の相場は収益の12~24か月程度と言われているため、収益のないサイトは安く売らざるを得ず、利益は少なくなります。
ジャンル選定に失敗して、とりあえず手放してしまおうというのであれば安く売ることも問題ないと思われますが、サイトを売却することで稼いでいこうと考えるのであれば、なるべく高い収益を出せるように改善する必要があることは覚えておいてください。
ジャンルを問わない雑記ブログ
アフィリエイトなどで収益を出していない、趣味の雑記ブログのようなものでも取引することは可能です。
コンテンツのみを再利用したり、サイト構築作業を省略するためのベースとして活用したりする目的で取引されることがあります。
ただ、先述した通り、相場はサイトの収益から算出されるため、収益のないブログでは非常に安値での取引となります。
また、記事の質も悪く、流入があまりない雑記ブログの場合は売却しようとしても取引が成立しない可能性さえあります。
買う場合はあくまで既存サイトへの記事移植用として、売ることを考える場合は記事の質を高めて流入を増やすか、ジャンルを絞ってサイトの方向転換をしておくのが良いかもしれません。
個人で開発したアプリ・Webサービス
サイト売買サービスでは、アプリやWebサービスも同様に取引されており、個人が開発したものでも売買が可能となっています。
ただ、Webサイトの取引に比べると、そこまで手軽に売買しにくいかもしれません。
買う側の立場から考えると、値段も比較的高いものが多く、機能を管理できる人材がいなければ、元々の持ち主である売主のサポートなしに利用し続けるのは難しいでしょう。
そして、売主のサポートを依頼する場合はその分の費用がかかるため、ランニングコストがさらにかかってきます。
売り手としては、サポートを依頼されることになれば、継続的に利益を得られるというメリットがあるものの、上記の通り買い手にはデメリットであるため、避けられる傾向にあります。
そして、需要がなければいつまでも取引が成立しないため、Webサイトよりも売れるまで時間がかかる・もしくは売れずに終わってしまう可能性さえあります。
買い手と売り手の需要がマッチングすれば、Webサイトの売買よりも大きく利益を出すことができる可能性がありますが、アプリやWebサービスは用途に適していないと取引されにくい面もあることは理解しておいてください。
TwitterやYoutubeなどのSNSアカウント
昨今ではサイトの権威性や専門性を高めるためだったり、検索以外の経路を作ったりするためにSNSを活用することもできます。
そのため、サイト売買サービスでも良質なSNSアカウントであれば、取引することができます。
売買の条件としては定められておらず、さまざまなアカウントが取引されています。
ただ、メリットよりもデメリットの方が多いかもしれません。
買い手側のデメリットとしては、運営し続けることが重要なため、Webサイトよりも管理の手間がかかります。
Twitterやインスタグラムなどであれば、アカウントのフォロワー数や投稿内容、Youtubeであればチャンネル登録者数や動画コンテンツをチェックして判断することになりますが、実際に運営を続けられるかどうかは注意するようにしましょう。
また、フォロワーや登録者数を水増ししていることさえあり、そのようなアカウントでは購入してもWebサイトへの活用はできないため、損をしてしまうこともあります。
売り手としては、それまでフォロワーや登録者数をきちんと増やしてからではないと売ることはできず、非常に多くの時間・労力が必要です。
水増しして売却してしまうということも不可能ではありませんが、そのような方法ではトラブルを招くこととなるため、決して行ってはいけません。
SNSアカウント単体で売買するのではなく、Webサイトやサービスの付属品としてSNSアカウントも活用するというように考えるのが得策でしょう。
個人でサイト売買する際の注意点
次に個人がサイト売買するときにはどのような点に注意する必要があるのかを解説します。
買い手となった場合のみの注意点はなく、買い手と売り手両方で注意すべき点と、売り手となる際の注意点が2つありますので、覚えておいてください。
直接の取引はトラブルのもと
サイト売買を行う際は基本的に仲介サービスや仲介会社の利用をおすすめします。
仲介手数料が取られてしまうことを気にするかもしれませんが、直接取引しようとすると大きなトラブルに発展するリスクがあるためです。
まず、直接取引だと支払いと受け渡しのタイミングがズレることに問題があります。
例えば、お金を支払ったのにサイトの受け渡しが行われない・サイトの受け渡しを行ったのに代金が支払われないといったようなトラブルがおこることは少なくありません。
サイト売買サービスなどの仲介を通した場合、運営元や仲介会社が一時的に代金を預かり、すべて完了したあとに代金が売主に渡されるといった「エスクロー形式」で執り行われるため、上記のようなトラブルが起こることはありません。
また、直接取引の場合は交渉もすべて行わなくてはいけないため、より時間がかかったり、取引成立に至らなかったりといったこともあります。
このようなリスク・デメリットの大きさを考えれば、仲介手数料を支払ってでもより安全かつ確実に取引できるサイト売買サービスや仲介会社を利用した方が良いでしょう。
【売り手】検討材料になるデータは正しいものを
次に売り手の場合ですが、売却したいサイトの流入状況や売り上げなどは正確なデータを提出するようにしましょう。
データの内容によって買い手側は検討することになるため、誤った情報では取引がうまく進みません。
見栄えを良くしたいという気持ちで数値を少し上乗せして掲載しようと思うかもしれませんが、万が一その状態で成約してしまった場合、こちらもトラブルの原因となってしまいます。
Googleアナリティクスとの連携によってデータを表示させたり、売り上げの根拠として、例えばアフィリエイトサイトであればASPの売り上げ状況の画像データを添付するなどして、データの正確さを高めるとより効果的です。
トラブルを避け、買い手・売り手ともに満足のいく取引になるよう、掲載するデータは正しいものにするよう、心がけてください。
【売り手】売却時には税金に注意
サイトを購入した際は税金がかからず、その後に収益が発生した際に税金の計算が行われますが、売却時には取引が成立して代金を受け取った段階で税金が発生します。
基本的には「譲渡所得」に該当し、サイトの運営期間によって税率が異なります。
運営期間は利用しているサイトのドメイン取得から計測され、下記のように変わります。
- 売却するまでのサイト所有期間が5年を超えている場合:「長期譲渡所得」となり、所得税15%が発生する
- 売却するまでのサイト所有期間が5年以内の場合:「短期譲渡所得」となり、所得税30%が発生する
また、サイトの売却を継続的に行っている場合は、その取引行為自体が事業とみなされ、「事業所得」となることもあります。
どちらに該当するのか、金額はいくらかわからないといった場合には税理士に依頼したり、税務署に確認したりするようにしてください。
個人でサイト売買するのにおすすめのサービス
個人でサイト売買する際におすすめとなるのは「ラッコM&A」と「A8M&A」の2つになります。
「ラッコM&A」ではWebサイトのほか、アプリやSNSアカウントなどさまざまなものが取引されており、また価格帯も安いものから高いものまで幅広くあります。
売却手数料も無料であり、売り手としては使用する候補に入れたいプラットフォームと言えるでしょう。
また、WordPress製のサイトに限りますが、購入する際は姉妹サービスの「ラッコマーケット」も併用するのがおすすめです。
こちらは逆に買い手側が手数料無料となり、また小規模サイトが多く掲載されているため、これからサイトを育てたい・移植用にサイトごと購入したいと考える人には便利なサービスです。
成約数・掲載数No.1!使い勝手も抜群のサービス
サイト売買プラットフォームとしては非常に高い成約率を誇り、業界では成約数No.1(2021年以降)となっています。
個人規模から法人規模まで幅広く掲載されており、アプリやアカウントなども売買可能!
姉妹サービスの「ラッコマーケット」を活用すれば、安く買ったサイトを育てて、ラッコM&Aで高く売って稼ぐことも不可能ではありません。
そして、「A8M&A」もWebサイトやSNSアカウントなどを取引できるプラットフォームで、個人運営のサイトが多くなっています。
SNSアカウントやアプリなどの掲載もありますが、運営元がASPであることから関連するアフィリエイトサイトが中心になっている印象です。
価格帯も比較的安く、「ラッコマーケット」で見つからなかったサイトがあるかもしれないと、補完的に使用しても良いかもしれません。
有名ASPのサイト売買プラットフォーム!掘り出し物が見つかるかも?
大手アフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)の「A8」が運営するサイト売買サービスです。
個人規模のブログやアフィリエイトサイトが多く掲載されており、安価なサイトも少なくありません。
複数のサイト売買サービスで調べて、より良いサイトを見つけたいと考えるときに活用するのも良いでしょう。
個人こそサイト売買を活用しよう
収益の出ないサイトや、運営に手が回らなくなって放置してしまっているブログなど、そのままにしておくのももったいなく、残しているだけでもサーバー費用などのコストはかかってしまいます。
しかし、使い方によってはそのようなサイトでも有効活用可能であり、需要も無いわけではありません。
また、これから副業としてアフィリエイトサイトを始めよう・ブログを趣味にさまざまな情報を発信しようと思っても、準備に時間がかかり、途中で断念してしまうということもあるでしょう。
サイト売買は買い手・売り手ともにメリットがあり、個人でも利用できるものですので、活用していくことをおすすめします。