webサービスを個人でも売却するにはどうすればいい?相場と高値で売るための考え方

Webサービスも取引可能?

「Webサービス」と呼ばれるものは、ブログなどの「Webメディア」と異なり、コンテンツを閲覧するだけではなく、さまざまな機能を有したものになります。

例えば、登録したユーザー同士でやり取りできる「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」であったり、入力した文字数をカウントする「文字数計測機能」であったり、ホテルや航空券の料金情報を集めて予約までできる「予約サイト」といったものが、Webサービスに当たります。

つまり、ユーザーの利便性を高めるために読み物以外の機能が利用できるものが、WebサービスまたはWebアプリケーションと呼ばれています。

サイト売買サービスでは「Webサービス」も取引されており、中には非常に高値での取引が行われた事例もあります。
ただ、Webメディアよりも実績やサービスとしての価値が求められることや、専門的な知識・スキルがないと構築することも難しいことから、Webメディアの売買と比べると、取引が活発であるとは言い難いです。

しかし、エンジニアであれば、経験・実績を積むためにWebサービスを構築してみることもあると思われます。

そして、個人でもWebサービスの売却は可能であり、実際に多くの人に使用されれば、それだけ価値のあるサービスであることになりますので、そのまま放っておくよりは売却してしまった方が良いでしょう。

また、Webサービスを購入する側からすれば、すでに運営しているサイトに取り込んだり、Webサービス内に運営中サイトへのリンクを設置したりすることでSEO的な効果を得るなど、さまざまなメリットがあります。

本記事では「Webサービス」を買う・売ることについて、実際に売買された事例の紹介も含め、メリットやデメリットなどと併せて解説していきます。

Webサービスを売るメリットとデメリット

Webサービスを売却するメリットとしては、Webメディアの売却と同じく、まとまった額の利益が得られるほか、開発実績やコスト削減などに関するものもあります。
自身の開発したWebサービスが売却できれば、それだけ多くのユーザーが利用するサービスを開発できたという実績になります。

また、Webサービスは定期的な機能更新やトラブルが起きた際の対応、メンテナンスが必要になりますが、その作業もなくなるため、時間的・作業的なコスト削減にもつながります。

対してデメリットとしては、まず移行作業に時間がかかることが挙げられます。

通常のWebメディアであれば、ログイン情報の受け渡しと簡単なサポート程度で移行が終わると思われますが、Webサービスの場合は機能や操作に関するマニュアルを準備しなければいけなかったり、Webサービス運営に関する事柄を細かく伝えなければいけません。

また、Webメディアに比べると買い手も判断がしにくく、売買のやり取りに時間を要する可能性が高いです。
ユーザーがアカウントを作成して登録する形のサービスであれば、アカウントの数から利用者数をある程度割り出せますが、そうでない場合はページビューなどのアクセス情報から検討するしかなく、本当に良いサービスなのかどうかがわかりにくいです。

そのため、買い手がサービスの質を判断できるよう、機能に関する質問への応対や説明が増えてしまい、やり取りに時間がかかることが多くなります。
成約できれば良いのですが、売却できなかったという結果に終わると、ただ時間を費やしただけとなってしまいます。

独自に開発した機能や他にはないサービスを提供できれば、Webメディアよりも高価に売ることができる可能性があるものの、売却に関する難易度は多少高くなってしまう場合があることは理解しておいてください。

Webサービスを買うメリットとデメリット

Webサービスを売却するにしても、買い手側がどのようなことをメリット・デメリットと感じているのかは理解しておいた方が良いでしょう。

どうしてWebサービスが購入されるのかという点ですが、買い手としては「開発コストが抑えられる」ことと「すでにサービスを利用しているユーザーが存在している」という2つの理由が大きいと思われます。

もしゼロからWebサービスを開発するとなると、まずエンジニアや進行を管理するディレクターなどの人材を準備し、そこから時間をかけて開発を進めていく形になるでしょう。
その間人件費もかかり、そしていざリリースできたとなっても、ユーザーが利用してくれなければ、無駄にコストをかけただけとなってしまいます。

しかし、すでに利用されているWebサービスであれば、金銭的・時間的コストも購入費用以外は発生せず、利用ユーザーも一気に確保できます。
Webサービスには数百万・数千万で取引されるものもありますが、これは上記のような開発にかかるコストを考えても妥当であると判断されたことから、このような値段になっているのです。

ただ、買い手側にもデメリットというよりリスクが存在します。

まず、購入したサービスがいつまで利用されるかどうかはわかりません。
例えば、SEOに活用できる「キーワード抽出ツール」のようなものであれば、長期間利用されると考えられますが、「動物占いサービス」など一時的なブームで利用者が急増しているWebサービスの場合は、いつ人気に終わりが来るか、想定することは難しいでしょう。

また、専任の担当者が必要な管理・運用が難しいWebサービスだと、人件費がかさんでしまい、利益が少なくなってしまうといった可能性もあります。

Webサービスを売却したいと考えるのであれば、このような買い手のメリット・デメリットを踏まえたうえで、どんなサービスであれば買ってもらえるかを考えるようにしましょう。

Webサービス売買の相場

Webサービスの相場は、Googleアドセンスなどの自動広告やアフィリエイトなどの成果報酬型広告によってある程度の利益が生じている場合、「利益の24か月~60か月分(2年~5年分)」で算出できるとされています。

なお、Webメディアの相場は「利益の12か月~24か月分(1年~2年分)」とされており、Webサービスの方が相場としては比較的高くなっています。

これは、利益だけではなく、利用ユーザーの多さや開発にかかった費用・時間を加味したうえで金額が算出されるためと考えられます。

ただし、利益が出ていない場合はその限りではありません。

実際はマネタイズができる分野であり、十分なユーザーがいるのであれば、値を上げることもできるかもしれませんが、基本的には開発にかかるコストを換算した程度の金額になると覚えておきましょう。

個人開発のWebサービスが買収された例

参考に、どんな個人開発のWebサービスが売買されたことがあったのか、いくつかの例を紹介します。

ひとつは、登録したクリエーターに対して、Web上で有償の依頼ができるコミッションサービス「スケブ(Skeb)」も、元々は個人が開発したWebサービスであり、株式会社実業之日本社によって10億円で買収されました。

買収当時で登録者100万人超・月間取引高も2億円という非常に大規模なサービスへと成長したため、そこまでの金額での買収になったものと思われます。

参考:Skebを運営する株式会社スケブ、株式会社実業之日本社による買収のお知らせ

他には、Twitterのフォロワーから通話相手を募集することのできる「ツイコール(Twicall)」も個人開発によるWebサービスにおいて、買収されたもののひとつです。

「Twicall」は学生による開発で、買収時の金額は非公表となっていますが、リリースから譲渡までがわずか3か月で行われています。

在宅時間が増えて会話の機会がなくなった時勢において、需要を大きく満たすことのできるサービスとして、買収に至ったとされています。

参考:AppBrew、ツイッターでフォロワーに通話を募集できるサービス「TwiCall」を取得

「Skeb」の買収は金額も圧倒的に高く、滅多にある事例ではないでしょう。

しかし、クリエーターという供給サイドの人々が利益を得られるサービスとしては初の仕組みであったことや、市場として活発なジャンルに向けたサービスという点が、高値での売却を実現するポイントとなったと思われます。

売買されやすいWebサービスの特徴

Webサービスは大小関わらずに取引されており、その中でも売買されやすいもの・されにくいものと違いがあります。

その特徴としては、「利用者数が多い」「ジャンルが人気・もしくは活発」「譲渡しやすい」の3つが挙げられるでしょう。
売却を目的とした開発時には上記3点を踏まえることが必要です。

では、それぞれの内容を詳しく説明していきます。

利用しているユーザーが多い

Webサービスの売却相場は、利益のほかにユーザー数や流入数も鑑みて決められます。
つまり、多くの人が利用しているサービスであるほど、買われやすいものとなります。

わかりやすい方法としては、アカウント登録型のサービスにしておくといったことが挙げられます(登録者数がそのまま利用者数とつながるため)。
利用できるサービス内容を有料版と無料版で分ける形であれば、収益の点でもわかりやすくなり、売却価格の裏付けにできるようになります。

なお、初めから有料版と無料版に分けるのは利用者を増やしにくくなるので、あまりおすすめしません。

もしアカウント登録型でなくとも、中古ドメインや充実した解説コンテンツなどを準備して検索時に上位表示させることで、SEOでの流入ができていれば、利用者数の目安は立てられます。
Googleアナリティクスなどの計測ツールではユーザー数も集計できるため、訪問したすべての人が利用したわけではなくとも、それだけ認知度のあるサービスとして評価することは可能です。

一定の市場があるジャンルを狙ったもの

上述した通り、利用者数の多さが重要となるため、ジャンルについてもある程度広い市場のものである必要があります。
極端に一時的なブームに対するWebサービスだと、ブームがある間はたくさんの利用者がいると思われますが、そのブームが過ぎると途端に使われなくなり、収益も一気に減ってしまいます。

先ほど例に挙げた「Twicall」も時勢による一時的な需要増が理由で買収に至ったのではなく、継続的に需要があると考えられたためだと考えられます。

このように、一定の市場があるジャンルに対するサービスの方が安定した収益を出せる可能性が高いため、売買されやすくなっています。

また、他にサービスが開発されていないような、人気の新規ジャンルに対するWebサービスも売買されやすいもののひとつです。
現在のブームについていくためにサービスの開発を考えている企業などからの需要があるので、極端に高い価格だと難しいかもしれませんが、ある程度の値段であれば、検討してもらえる可能性は十分にあります。

譲渡しやすい環境・サービスがあるもの

交渉が進んでから成約に至る段階で買い手側のハードルになるのは、「引継ぎがスムーズにできるか」といった点になります。

例えば、FirebaseなどのクラウドサービスやWordPressなどのCMSを用いて作られたのであれば、ログイン情報を渡すだけで譲渡できます。
特にWordPressが導入済みだと、その後にコンテンツを追加しやすいというメリットもあるため、成約しやすくなると思われます。

また、マニュアルだけでなく、一定の期間は引継ぎ後の問い合わせやトラブルシューティングの対応を行うといったアフターサービスも加えておくのが良いでしょう。
わかりやすいマニュアルを準備しておくのも良いですが、中には費用をかけてでもアフターサービスをつけて欲しいという買い手もいます。

自身の構築したいWebサービスが作れるかどうかも重要ではあるものの、売却が前提となるのであれば、なるべく譲渡することも踏まえたサービス構築をおすすめします。

Webサービス売買に便利なプラットフォームは?

Webサービスはサイト売買プラットフォームの多くで取引されており、実際に掲載されているサービスとしては「ラッコM&A」「サイトキャッチャー」「Sitestock」「サイトマ」「UREBA」の5つが挙げられます。

ただ、利用するサービスを比較する場合は手数料などのコスト面だけでなく、サービス自体の使い勝手も重要です。

掲載数が少ない・Webサービスのみを絞り込む機能がないといったサービスだと、買い手と売り手のマッチングもしにくく、交渉に至ることすら難しくなってしまいます。

では、上記5サービスをコストと使い勝手の面から比較してみましょう。

サービス名称/比較項目売却手数料購入手数料掲載数絞り込み機能※
ラッコM&A無料成約額の5%(最低55,000円/税込)有り
サイトキャッチャー【直接】成約額の3%+税
(最低紹介手数料55,000円)

【仲介】5%~10%
(最低成果報酬22万円)
【直接】成約額の3%+税
(最低紹介手数料55,000円)

【仲介】5%~10%
(最低成果報酬22万円)
無し
Sitestock【直接】成約額の3%+税
(最低紹介手数料55,000円)

 【仲介】成約額の10%+税
(仲介基本料10万円)
【直接】成約額の3%+税(最低紹介手数料55,000円)
 【仲介】成約額の10%+税(仲介基本料10万円)
無し
サイトマ着手金:33,000円
+譲渡金額の15%相当額(税別)
(最低成果報酬33万円)
着手金:33,000円
+譲渡金額の10%相当額(税別)
(最低成果報酬33万円)
×有り
UREBA【直接】0%(非独占案件は5%)

【仲介】0%(非独占案件は10%)
非独占の場合、最低手数料11,000円が発生
【直接】成約額の5%

【仲介】成約額の10%
有り
※「Webサービス」のみを絞り込めるかどうかの機能になります。

上記内容から考えると、買い手側と売り手側の両方から考えても「ラッコM&A」が最もおすすめのサービスとなります。
売却手数料に関しても条件無しに無料となっており、直接交渉が基本となりますが、購入手数料も非常に低い水準となっています。

また掲載数も多く、「Webサービス」を対象とした絞り込み機能も有しているため、使い勝手も良いと言えます。

個人開発の小規模サービスから、企業開発の大規模サービスまで掲載されているため、一度試しにでも掲載してみても良いかもしれません。

ラッコM&A


売却手数料購入手数料取り扱い
無料成約額の5%
(最低55,000円)
Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

アプリやWebサービスの掲載多め!個人から法人まで使える売買プラットフォーム

Webメディアだけでなく、Webサービスからアプリ、SNSアカウントまで各種取引されているサービスです。
掲載数も業界No.1を誇り、個人・法人問わず利用されています。
また、売却手数料無料・購入手数料も低水準と取引にかかるコストを抑えられるのも魅力です。

Webサービスを売却したという実績も活用できるかも?

Webサービスの売買はWebメディアよりも大きな利益が期待できるというイメージが強いですが、利益のみにフォーカスするのではなく、「Webサービスを売却した」という実績はエンジニアにとってはひとつのメリットになります。

たとえ少額でも、Webサービスとして認められたために売却できたということであるため、個人こそWebサービスの売却に挑んでみても良いかもしれません。

ただ、売却を前提とする場合は、引き継ぐこととなる買い手側の使いやすさを考えて、開発を進めるようにしましょう。

関連記事

SSL証明書を価格とブランドで比較!セキュリティサービス充実・コスパから最もおすすめの証明書を紹介

KDDIウェブコミュニケーションズではSSL証明書が非常にお得な価格で購入できるクーポンが配布されています。そこで、購入されているSSL証明書の価格や機能を比較しつつ、実際に使えるサーバー・どんな企業が必要なのかを細かく解説していきます。
2022年9月5日