サイト買取サービスは売買と何が違う?買取のメリット・デメリットを解説

「サイト買取」と「サイト売買」は何が違う?

「サイト売買」と呼ばれるものは、いわば「買い手と売り手のマッチングサービス」です。
そのため、自分が売り手となることもあれば買い手となることもあり、また取引相手も不特定多数の個人・法人となります。

対して「サイト買取」は自身は売り手にしかなれず、取引相手は買取を請け負っている事業者のみとなります。
「サイト買取」のサービスを利用することには、「サイト売買」には無いメリットがあるものの、その分デメリットもあります。

「サイト買取」のメリット・デメリットをきちんと理解しつつ、「サイト買取」なのか「サイト売買」なのか、自分の状況にあったサービスを選ぶようにするのが良いでしょう。

サイト買取のメリット

まず、「サイト買取」におけるメリットとしては、「サイト売買」に比べて手間が少なく、確実に買い取ってもらえるという点が挙げられます。

「サイト売買」の場合は買い手と売り手がマッチングしなければ始まりません。
そして、買い手が見つかったあとには交渉が必須で、その分手間もかかります。

さらに交渉が決裂してしまうと、また一からやり直しになります。
また、交渉相手が買取業者のみという点で、サイト運営に関する情報を共有することになるのも買取業者だけになります。

「サイト売買」では複数の交渉相手がつくこともあるので、情報や時にはノウハウの一部をあちこちに与えることになりますが、なるべくノウハウなどを広げたくないと考えるのであれば、比較的安全な取引ができると思われます。

このような「サイト売買」におけるデメリットが無いのが「サイト買取」となります。

では、詳しく解説していきます。

交渉相手が買取業者のみで済む

「サイト売買」の形式だと複数の買い手がつくと、それだけ交渉の機会が多くなります。
そのため、同じようなやり取りを何度も繰り返したり、時間がかかったりという手間が多くなりがちです。

しかし、「サイト買取」では買取業者のみとの交渉であるため、その分の作業・時間的なコストを少なく済ませることができます。

ただ、詳しくは後述しますが、手間がなくなった分買い取ってもらう価格も買取業者の査定次第となるため、売却益が少なくなってしまう可能性が高いです。

とにかく早急にサイトを売却してまとまったお金が欲しいというように、スピードを最重視する場合には良いですが、そうではない場合は利益とスピードのどちらを優先するかを考える必要があることは覚えておきましょう。

確実に買い取ってもらえる

基本的には査定で買取金額が出て、業者からの買取OKの判断が出た段階で取引がほぼ完了できます。

「サイト売買」で交渉が進んだものの、取引が成立しそうな終わり間際で決裂してしまったというような例もあることを鑑みると、買取業者に買い取ってもらうことは確実性の高い取引であると考えられます。

また、査定にもそこまで時間がかからないので、もし買取ができないと判断されたとしても、それなら「サイト売買サービス」に登録するといったこともできるので、効率的に進められるのもメリットと言えるでしょう。

不特定多数に情報を知られずに取引できる

「サイト売買サービス」で売却用のサイトを掲載するときはサイトのページビュー(PV)や売上、どのようなサイトかという特徴を記載する必要があります。

買い手はその情報を基に購入を検討するため、なるべく詳しい情報が掲載されていた方が良いのですが、逆にその情報からサイトを探られ、サイト構造などを勝手に分析・調査されてしまう可能性もあります。

また交渉時には、ノウハウなどのより深い内容を開示することにもなるため、交渉が急に中断してただ情報を抜き取られてしまったという被害に遭うこともありえるでしょう。

「サイト買取」においても情報の開示は必要ですが、その開示先は買取業者のみであるため、不特定多数にサイトの情報を知られずに取引を進めることができます。

サイト買取のデメリット

比較的安全かつ確実性の高い売却ができる「サイト買取」ですが、その分デメリットが大きいです。

そもそも「サイト買取」というサービスを運営している業者も少なく、また買取の査定に通るためには「サイト売買サービス」に登録するよりも非常に高いハードルがあります。

そして、売却価格もサイト売買サービスでの取引で成立する額よりも低く、「サイトを売って利益を得よう」という目的で利用するのはおすすめできません。

それでは続いて、サイト買取におけるデメリットについて解説していきましょう。

売却価格がサイト売買と比較して低い

サイト売買における相場は、大体月間収益の24ヶ月~36ヶ月分程度と言われています。
これに対して、サイト買取における買取価格は12か月~24か月程度とされており、また実績が開示されているものも少ないため、相場が大きく変動する可能性もあります。

その理由として、メリットとなっていた「交渉が買取業者のみ」という点が関わってきます。

サイト売買の場合、基本的な査定を基に自分で金額を調整し、そのうえで買い手と交渉して値段をつけていくことになります。

たとえ高値で掲載したとしても、買い手側にそのジャンルもしくはサイト運営自体に深い知見があり、より売上を伸ばして購入価格を取り戻せると判断してくれれば、その価格で購入してくれる買い手に出会える可能性もなくはありません。

しかし、サイト買取の場合は買取業者の査定次第で、想定よりも低くなってしまう可能性の方が高いです。

希望額を伝えたうえで査定額を算出してもらえるものの、買取業者の見通しに左右されてしまうため、相対的に「サイト売買サービス」での取引よりも低い金額での買い取りとなってしまうことの方が多いと理解しておいてください。

買取業者が少ない

業者が直接買い取ってくれる「サイト買取」をサービスとして行っているのは、2022年11月現在では下記3つのみとなっています。

  • SITE OFF(運営会社:株式会社リアライズ)
  • サイト売買Z(運営会社:株式会社サイトM&Aパートナーズ)
  • サイの角(運営会社:Easy Communications.inc)

それぞれの買取業者にも得意・不得意が存在するため、先述した買取価格についてもより低いもので出されることがあります。
また、最低金額もサービスごとに異なり、最低100万円の値がつけられる規模のサイトでなければ買取対象にならないといった基準も存在します。

この3つのうちどれかのサービスで買取対象とならなければ、サイト売買サービスを使わざるを得ないという選択肢の狭さは大きなデメリットであると言えます。

査定に通るためのハードルが高い

「サイト売買」では利益が出ていない・流入が少ないサイトでも売却できる可能性がありますが、「サイト買取」の場合は一定の利益・流入がないと買い取ってもらうことは難しいです。

サービスによっては最低5万円からの買取が可能であるところもあれば、上述した通り最低100万円の査定額が出る規模のサイトでなければ買い取ってもらえないところもあります。

つまり、買取の査定に通るためにもある程度の規模までサイトを育てなければいけません。

収益化については、アフィリエイト広告を掲載したりGoogleアドセンスを設置したりと方法は数多くあり、サイトに流入できれば、そう難しいことではありません。

大きなハードルとなるのは流入を集める方で、ドメインを育てたりコンテンツを作成したりと非常に時間がかかります。

また、それだけの手間をかけてもサイトに流入できるかどうかは定かではなく、実際に買い取ってもらえる水準までのサイトに仕上げるには相当の手間がかかる恐れがあります。

以上の点から、そもそも査定に通るハードルが高いため、買取を目的にしてサイトを運営するのはコスパが悪いと考えられるでしょう。

「サイト買取」と「サイト売買」ならどっちがおすすめ?

これまでの内容を踏まえたうえで、「サイト買取」と「サイト売買」ならどちらの方法を取った方が良いかを考えると、「サイト売買」をおすすめします。

理由としては「期待できる売却益が多いこと」と「売却までの難易度が低いこと」の2点が挙げられます。

サイト買取は確かに買取査定に通れば確実でスムーズなのですが、引き換えに、売却して得られる利益は少なく、また査定に通ること自体が難しくなっています。
対してサイト売買では交渉などの手間もあり、売却できるまで時間がかかるものですが、それだけ自分の希望に近い金額で売却することも可能です。

また、コンテンツのみを評価して購入してもらえることもあるため、経験が少ない人でも売却しやすいという点も利点です。

そのため、多少時間はかかるとしても基本的には「サイト売買サービス」で掲載して売却に挑むのが良いでしょう。

使いやすくておすすめのサイト売買サービス

サイト売買サービスで売却することを前提に、おすすめとなるサービスは「ラッコM&A」「サイト売買Z」「UREBA(ウレバ)」の3つになります。
特に「ラッコM&A」は売却側に手数料がまったくかからず、掲載数も多いことから成約しやすいサービスと言えるでしょう。

「UREBA」も直接取引・仲介取引どちらも手数料無料で利用できるものの、他のサイト売買サービスにも掲載している「非独占」の状態だと手数料が発生するため、注意しておいてください。

「サイト売買Z」は売却手数料が比較的高めではあるものの、「サイト買取」も行っていることから、登録しておくと便利なサービスだと思われます。

サービス名称/比較項目売却手数料サイト買取サービスサイト買取時手数料
ラッコM&A無料無し
サイト売買Z【成約額25万円以上の場合】成約額の3%(最低手数料55,000円)
【成約額25万円未満の場合】成約額の20%(最低手数料11,000円)
有り0円
UREBA【直接】0%(非独占案件は5%)【仲介】0%(非独占案件は10%)非独占の場合、最低手数料11,000円が発生無し

ラッコM&A


売却手数料購入手数料取り扱い
無料成約額の5%
(最低55,000円)
Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

成約数No.1!売却手数料も無料で初心者も使いやすい!

非独占などの条件もなく、売却側の手数料が完全無料となっているので、初心者でも使いやすいサイト売買プラットフォームとなっています。
また、掲載・成約数も業界トップで取引も活発であるため、マッチングから成約までもスムーズに進められるでしょう。
サイトを売却するなら登録しておいて損はないサービスと言えます。

サイト売買Z


売却手数料購入手数料取り扱い
【成約額25万円以上の場合】
成約額の3%(最低手数料55,000円)

【成約額25万円未満の場合】
成約額の20%(最低手数料11,000円)

成約額の3~10%
最低手数料55,000円

Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

サイト買取なら手数料無し!売買サービスと併せて使おう

サイト売買サービスでありながらもサイト買取も行っているプラットフォームです。
買取は最低100万円からと敷居は高いですが、売買交渉が上手くいかなかったときに買取へ切り替えるといった使い方もできます。
ただ、サイト売買サービスを利用する際は売却手数料が成約額によって変動するので、その点は注意しておきましょう。

サイト買取を行ってくれるところは少ない!サイト売買の流れに慣れておこう

「サイト買取」を事業として行っているサービスは非常に少なく、売却益も減ってしまう可能性があることから、基本的には「サイト売買」の形式で売却する方が良いと思われます。

また、買取査定は厳しいため、実質的に利用できる人は限られてしまいます。

そのため、交渉や移管などの手続きが難しいと感じられるかもしれませんが、サイト売買の流れに慣れていく方がおすすめです。

プラットフォームには交渉を仲介してくれたり、移管を代行してくれたりするオプションもありますので、最初のうちは活用しつつ、最後は自力で行えるように覚えていくのが良いでしょう。

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