ゆっくり系Youtubeチャンネルの売買は問題なし?取引される理由と注意点を解説

ゆっくり系チャンネルの「ゆっくり」とは?

「ゆっくり」とは、丸い饅頭のようなフォルムに顔だけがついた頭部だけのキャラクターを指しています。
電子掲示板の「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」で投稿されたアスキーアートが始まりとされ、そこからインターネットスラング(ミーム)となって今でも使われています。

当初は「東方Project」と呼ばれる同人ゲームに登場するキャラクター「博麗霊夢」と「霧雨魔理沙」をもじったもので、そこから東方Project関連のキャラクターが次々と「ゆっくり」になっていったため、多くは東方Projrctの二次創作として扱われる印象が強いです。

ただ、現在では「饅頭形状で頭だけのキャラクター」であれば、東方Project以外のキャラクターやオリジナルキャラクターでも「ゆっくり」として扱われることもあります。

Youtubeでは、音声読み上げソフトを用いて「ゆっくり」に台詞を話させるゲーム実況プレイ「ゆっくり実況」やさまざまな事柄に関する解説をさせる「ゆっくり解説」など、「ゆっくり」に関する動画が数多く存在しています。

そして、「ゆっくり系チャンネル」と呼ばれるものはこのようなゆっくりを用いた動画を公開するチャンネルを指し、数十万~数百万再生まで伸びることもあるため、人気ジャンルのひとつであると言えます。

引用:Youtube 酒桜ch「【バカゲー】やばいウサギのゲームでやらかしたかもしれない【ゆっくり実況】」より

ゆっくり系チャンネルがなぜ売買されるのか

Youtubeのチャンネルをアカウント譲渡という形で売買されることも最近では増えてきていますが、ゆっくり系チャンネルは売買でも人気のジャンルとなっています。

その理由として、「属人化しないジャンルであること」と「再生数が稼ぎやすく、収益を上げやすいこと」の2つが挙げられます。

Youtubeの動画における属人化とは「顔出し」や「肉声による読み上げ」で起こりますが、ゆっくり動画においては、「ゆっくり」というキャラクターに「音声読み上げソフトによる電子音声」で作られるため、属人化には当てはまりません。

そして、先述した通り、当たれば多くの再生数が稼げるため、収益も期待できます。

「切り抜きチャンネル」も同様の理由でYoutubeチャンネルの売買で人気ですが、こちらは配信者の人気に左右されたり、正式な許可を取らなければいけなかったりというような問題があり、内容次第ではゆっくり系チャンネルの方が安定して運営しやすいというメリットが存在することも人気の理由となっています。

なお、「切り抜きチャンネル」についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方は読んでみてください。

▼Youtubeチャンネル売買では「切り抜き」が人気ジャンル?儲かる仕組みや著作権など注意点を解説

ゆっくり系チャンネル売買時の注意点

ゆっくり系チャンネルの売買においては、通常のYoutubeチャンネルの売買に比べて、注意しなければならない点が多いです。

売買時よりも、その後のチャンネル運営に関するものや、ガイドラインや著作権など権利関係に気を付ける必要があります。

内容によっては収益化ができなくなる可能性も出てきますので、きちんと理解しておいてください。

ガイドラインを守っているか

Youtubeのチャンネル売買は今のところ違法でも規約違反でもないとされています。

売買はあくまでチャンネル運営の「事業譲渡」という形であり、Youtubeの規約にもチャンネル譲渡に関する文言がないため、グレーゾーンではあるものの、特に問題はありません。

ただし、動画内で使用されているキャラクターに関しては権利に関する問題が存在します。

例えば、東方Projectのキャラクターを用いたゆっくり動画である場合は「二次創作」に当たるため、ガイドラインを順守しなければいけません。

参考:東方Projectの二次創作ガイドライン
https://touhou-project.news/guideline/

例えば「ゆっくりを用いて特定の個人や団体を中傷する動画」などはガイドラインに反することになります。

そして、2021年7月8日には動画配信サービスへの投稿に関するガイドラインも公開されており、Youtubeでゆっくり系チャンネルを運営するのであれば、こちらも確認しておく必要があります。

参考:動画配信サービスへの投稿に関するガイドライン
https://touhou-project.news/guideline_videoposting/

ガイドラインにおいては、動画サイトのシステムを用いた収益化については許可されているものの、営利目的での動画配信は禁止と明記されています。

そのため、Youtubeやニコニコ動画などの広告収入については、ガイドラインに基づいたものになりますが、アフィリエイトなど商品を購入させるものはガイドライン違反に当てはまる恐れがあります。

オリジナルキャラクターの場合は別途著作権の方で、営利目的や商用に関する利用が可能かどうかを確認する必要がありますが、有名な東方Projectのキャラクターを用いたゆっくりチャンネルである場合は、ガイドラインを守っているかどうかを確認しておくようにしてください。

ライセンスや著作権を確認しておくこと

著作権フリーのゆっくりイラストを用いた場合は問題ありませんが、動画のために書き下ろされたイラストやオリジナルキャラクターを用いた動画である場合は、運営者ではなくイラストの作者と著作権周りを整理しておく必要があります。

Youtubeアカウントの所有権は元々の運営者に属するものですが、動画で使用されているイラストについては作者が著作権を有していることも少なくはありませんので、売買時にはそのまま引き継いで使用できるかどうかを確かめておきましょう。

他にも、ゲーム実況の場合は、開発会社や制作会社に著作権が属しています。

通常の配信や動画で使用するだけであれば問題ないが、広告収入など収益化することは禁止とされているといった場合もありますので、購入したゆっくりチャンネルの動画に広告設定を行う時には注意が必要です。

また、「Aquestalk」など、ゆっくり動画の読み上げに使用される音声ソフトは、商用利用のためにライセンスの購入が必要となることが多いです。

Youtubeの収益化自体が商用利用にみなされることがあるため、もし編集および音声読み上げソフトを所有していないのであれば、編集関連ソフトのライセンスも売買時に含まれているかは確認した方が良いと思われます。

購入側は動画作成のためのコストをかけられるか

例えば「切り抜き動画」であれば、元の動画から見どころとなる部分を切り出し、必要であれば字幕をつけるなど見やすいように編集するといった作業になりますが、ゆっくり動画の場合は次のような作業工程になります。

  1. ベースとなる動画を作成する
  2. 「ゆっくり」イラストを配置・設定していく
  3. ②と平行して、読み上げる文章を作成する
  4. 読み上げ音声の調整を行う

特に①の動画作成については、例えばゲーム実況であればそのプレイ動画が必要となるように、基本的には一からすべて作ることになります。
文章も自分で考えることになるので、ただ字幕をつけるよりも作業量は自ずと多くなります。

最近ではクラウドソーシングサービスで動画編集や台本作成を外注する運営者もいますが、その場合は費用がかかり、コストとしては安くありません。

他ジャンルと比べても動画作成に必要な時間が多くかかるため、ゆっくり系チャンネルを購入して運営しようと考えるのであれば、今後運営していくための時間もしくは費用をかけられるかどうかをしっかりと考えておく必要があります。

収益化剥奪の可能性があることを理解しておく

一時期ゆっくり系チャンネルの収益化剥奪が頻発したことがありました。
これは、Youtubeの収益化を管理するAIが「コンテンツの繰り返し」であると判断して、収益化プログラムを止めてしまったことが理由とされています。

このような事態になった原因は明確にはなっていませんが、読み上げている合成音声が似通ってしまうためと考えられます。

読み上げソフトを変えても同じ合成音声ライブラリを使用していたり、そもそも電子音であるために差異がほぼなかったりするため、収益化剥奪を回避するには、肉声を入れるか、「VOICELOID」など使用者が少ない読み上げソフトを使用するのが良いでしょう。

他のチャンネル運営者も同じようなソフトを用いて動画を作成しているため、ゆっくり系動画を運営する以上、他ジャンルよりも収益化が剥奪される可能性は比較的高くなります。

もし収益化が剥奪された場合は再度申請や問い合わせることで、改めて収益化できるようになる可能性があります。

それでも確認が長引けば、その期間は収益がなくなってしまうので、あらかじめ剥奪されないように対処を進めておく方が無難かもしれません。

ゆっくり系チャンネルの売買におすすめのサービスは?

Youtubeチャンネルの売買が行われているサイト売買サービスでは、ゆっくり系チャンネルの売買も行われています。

利益の12ヶ月分~24ヶ月分が売買時の相場に設定されていることが多く、ゆっくり系チャンネルは収益性が高めであることから、高額な取引になりがちです。

そのため、売買するのにおすすめのサービスとなると「ラッコM&A」が挙げられます。

Youtubeチャンネルの売買ができる他サービスに「Sitestock」や「サイトキャッチャー」がありますが、「Sitestock」では百万円台での掲載が多く、購入のハードルが少し高い状況となっています。

また、「サイトキャッチャー」でも取り扱いがあるものの、掲載数が少なく、売却側も購入側もあまり機会が得られない可能性が高いです。

掲載数が多いために取引の機会が得やすいことと、価格帯が高めから安めまで幅広いことの2点から、買い手側・売り手側両方におすすめなのが「ラッコM&A」になります。

ラッコM&A


売却手数料購入手数料取り扱い
無料成約額の5%
(最低55,000円)
Webメディア
アプリ
アカウント各種
Webサービス

多種多様なジャンルのYoutubeチャンネル取り扱いアリ!

ゆっくり系のほか、切り抜きや他の音声読み上げソフトを用いた動画チャンネルなど、さまざまなジャンルのYoutubeチャンネルが掲載されています。
値段も数万円~数百万までと幅広く、さらに売却手数料も無料で、特に売り手にはおすすめしたいサービスとなっています。
権利関係の相談もチャットでできるため、著作権など注意しなければいけない点のサポートも十分です!

ゆっくり系チャンネルは時間をかけて慎重に運営することが大事

ゆっくり系チャンネルはさまざまなテーマで作ることができるので、拡張性も高く、属人性がないために誰でも運営できるジャンルです。

ただし他のジャンルに比べて、キャラクターを使用する際の権利関係に注意したり、動画作成時間を多く取らなければいけなかったりというデメリットもあるため、運営に時間が割かれることは理解しておきましょう。

また、「ゆっくり」というコンテンツは歴史も長く、先日の騒動における反応を鑑みると、多くの人に愛されているものでもあります。

参考:ドワンゴが見解 ネット騒然の「ゆっくり茶番劇」騒動とは何か
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01859/

そのため、イメージを崩し過ぎてしまうと受け入れられない可能性もあるため、まずはどのようなコンテンツであるのかをきちんと理解しておくことをおすすめします。

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